自己破産はメリットも大きい

自己破産は財産の処分が必要になるなどデメリットの大きな債務整理ですが、債務の返済義務がなくなるという大きなメリットもあるため、借金を返済する目途が全く立たないときには利用する価値が十分にあるものです。自己破産で行う財産の処分では、99万円以下の現金と時価20万円以下の資産であれば手元に残せるため、処分によって生活できなくなることはありません。また、仕事に必要な道具も処分の対象外になります。車は仕事の道具としてはみなされませんが、ローンを払え終えた古い車の場合、時価が20万円を下回ることも多く、この場合は処分の必要はありません。

持ち家は処分することになりますが、即座に退去する必要はなく、家の売却先が決まるまでは住み続けられます。賃貸物件に住んでいる場合、追い出されることはありません。自己破産の手続きから免責確定までの数か月間、特定の職業に就けない資格制限というデメリットがあり、該当する職業に就いていると、失職する危険性があります。しかし、該当していない場合は期間が過ぎればその職業に就くことができ、縁のない職業であれば全く影響しません。

個人信用情報機関には最長で10年間、自己破産した記録が残るため、クレジットカードやローンの利用が難しくなります。ただし、これは自己破産だけのものではなく、他の債務整理を行った場合でも同じデメリットがあります。また、クレジットカードに関しては審査不要で発行できるデビットカードで代用できるケースも多いので、不便さを軽減できます。